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2025年12月19日

採用情報

【岡山市東区・瀬戸内市】「1日何単位?」のモノサシでは語れない。特養リハビリ職が見ている”生活の光”

病院リハビリと特養リハビリの仕事の違いの図。


病院のモノサシでは測れない世界。


「1日何単位ですか?」「1日何人みますか?」
これは、特別養護老人ホームの機能訓練指導員として転職を検討しているPT・OT(理学療法士・作業療法士)の方から、職場見学の際によくいただく質問です。

結論から言うと、そのモノサシでは特養のリハビリは測れません。
特養では、病院のように時間割を組むことも、単位の穴埋めに追われることもないのです。

ここで語るのは、
派手な回復はないけれど、確かに『生活の光』がある――
そんな特養リハビリのリアルです。


このシリーズは、特養リハビリに興味を持ち始めたPT・OTの方に向け、福祉業界の採用担当者の視点でまとめたものです。病院と特養のリハビリの違い、特養リハビリの魅力、そして、キャリアの広がりについてお伝えします。

正直に言うと、「リハビリだけ」をしたい人は向かない

■ 生活と地続きであることが前提

特養の機能訓練指導員は、入居者様の生活動作や施設のスケジュールに結びついた業務を行います。
そのため、病院では出会わなかった業務にも関わります。

  • ● ご自宅への送迎(ショートステイ)
  • ● 特浴介助
  • ● レクリエーションの補助
  • ● 行事への参加
  • ● 生活動作の継続的な観察


こうした関わりを「専門外」「雑用」と受け取ると、つらさにつながります。

でずが、「生活の中にヒントがある」「普段の姿を知らずして介入はできない」と感じられる方には向いているはずです。

■ 書類を作って終わり、ではない

一部のPT・OTの方からは、特養の機能訓練指導員は書類中心で「軽め」と認識されがちです。
そういった特養ももちろん存在しますが、特養ごとに求められる役割が大きく異なるというのが正確です。


少なくとも、藤花会の特養(特別養護老人ホームせとうちの郷・特別養護老人ホームせとうち)では、個別機能訓練計画書を作って終わり、ではありません。
介護職員とともに現場に入り、汗をかきながら暮らしのリハビリを提供することをその役割としています。

最大の壁は「他職種への伝え方」にあり

リハビリの専門用語をわかりやすいことばに変更する図


特養の介護チームは個々のバックグラウンドが幅広く、正しい理論をそのまま伝えてもまず届きません。

・無資格・未経験で入職したばかりの新人……まだ判断ができない
・事故なくその日を終えることが最優先の中堅職員……マニュアル重視
・現場で試行錯誤し我流を磨いてきた10年選手……「ずっとこの方法でやってきた」という自負がある


ある機能訓練指導員がこう語りました。
「特に、ベテランの方には入居者様の安全を必死に守ってきたという経験の重みがあります。
だからこそ、最大限のリスペクトを払って、相手を尊重した『翻訳』が必要なんです」


その『翻訳』とは——

  • ● 「スキャプラ」ではなく「肩甲骨」
  • ● 「体幹のアライメント」ではなく「姿勢の安定」
  • ● 「固有受容覚刺激」ではなく「安心して体を預けられる感覚」
専門用語を封印し、介護の『現場語』まで噛み砕いて伝えられる。
これこそ、特養の機能訓練指導員に求められるスキルです。

劇的な回復も、退院というゴールもない。だけど「照らしたい光」がある

病院では、患者様が歩けるようになり、家に帰っていただく。
そこには明確な成果とゴールがありました。

でも、特養は違います。
ここで向き合うのは「老いと病気と共に暮らす人たち」です。
関節拘縮が劇的に改善することも、落ちたADLがV字回復することもまずありません。
それどころか 現状維持こそ難しい。これが特養のリアルです。


それでも――
だからこそ。
私たちはその日常に灯る変化を決して見逃したくない。

・ポジショニングを工夫したら、夜よく眠れるようになった
・移乗がスムーズになり、リビングへ行く時間が楽しみになった
・口から食べられる量が増え、表情が和らいだ

病院リハビリとのいちばんの違いは、『生活の変化そのものが成果』という点です。

個別リハビリで見えた、残存機能というわずかな光

わずかにうごく左手でそっとピアノを弾く高齢者。そばで見守る機能訓練指導員の図。


高齢者施設の中でも特養は集団で生活する場です。

入居者様は365日24時間「みんなの中の私」という意識がはたらくため、遠慮の気持ちから言いたいことを飲み込んでしまうことがあります。

でも、 個別リハビリの時間だけは違います。

誰にも気をつかわないでいい、心が開放される時間。


ここでひとつエピソードをご紹介します。


脳梗塞後遺症のため、失語症、右片麻痺の入居者様。
思うように体が動かせない苛立ちに加え、ご家族様と離れて暮らす寂しさも重なり、集団生活になじめないご様子です。


カンファレンスでご家族様がこのように話してくれました。
「みなさん、今の母の姿からは考えられないでしょうが、昔はよくピアノを弾いていました。音楽がね、とても好きだったんですよ」


それを聞いた機能訓練指導員は、後日、そっとピアノの前へお連れしました。
すると――
片手で、ゆっくり、けれど確かに曲を奏で始めたのです。
「すごい……」
「ご家族に見てもらいましょう」

撮影した動画をご家族にお見せすると、驚きの声があがります。
「まだ、こんなことができたんだ……」

特養リハビリに向くのはこんな方

  • ✔ ノルマより「人」を見たい方
  • ✔ 多職種とのコミュニケーションが苦にならない方
  • ✔ 「生活を支える」という視点を大切にしたい方
  • ✔ 利用者様の「小さな可能性」に気づける方

まずは見学で、雰囲気を感じてください

現場には、記事では伝えきれない空気感があります。
少しでも特養リハビリの働き方が気になったPT/OT(理学療法士・作業療法士)さん。
迷っているなら、一度見に来てください。
ここには「ノルマのためのリハビリ」はありません。





■ 特養リハビリのススメ連載シリーズ

・シリーズ① 【岡山市東区・瀬戸内市】『1日何単位?』のモノサシでは語れない。特養リハビリ職が見ている「生活の光」
・シリーズ② 「特養リハビリが向く人・向かない人の決定版!」病院リハビリがしんどいと感じるPT・OTへ
・シリーズ③ 「病院以外に進んでもいいのかな?」と迷うPT・OTへ。特養リハビリへの転職でキャリアの地図を広げる
・シリーズ④ 特養リハビリ職場見学のススメ。転職を迷っているPT・OTこそ「雰囲気」を体感してほしい


■ 中途採用情報 


■ 社会福祉法人藤花会について
社会福祉法人藤花会は、「地域の中で共に生きる」を基本理念として、岡山市東区西大寺・瀬戸内市邑久町の2拠点で特別養護老人ホーム等を運営しています。
現在は、特別養護老人ホームせとうち・小規模多機能ホームせとうち・福祉移送サービスせとうち・居宅介護支援事業所せとうち・特別養護老人ホームせとうちの郷・小規模多機能ホームせとうちの郷を運営し、地域に根ざした福祉サービスを展開しています。

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