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2026年01月23日

採用情報

介護転職で二度と失敗しないために|30代・40代が確認すべき5つの転職軸

介護士の転職、どう変わる?経験者が語る、不安と期待。新しい施設選びのポイントを徹底解説。

介護歴10年、15年——でも「この働き方、あと何年続けられる?」

転職を考えているけど、「次の職場も同じじゃないか」と不安に思っていませんか。残業前提で早出から遅出まで一人で回す、夜勤明けに休みがない、これがいつまで続くのか——そんな環境から抜け出したいのに、「結局、どこもブラックなんじゃないか」と感じてしまう。


介護経験者だから即戦力扱いされて、また同じことになるのでは。「次も失敗したら、もう介護を続けられないかもしれない」——そんなプレッシャーを感じている方も多いでしょう。


この記事は、特養や老健でじゅうぶんな介護経験がある方が、後悔しない転職をするためのノウハウを、福祉業界の採用担当者の視点でまとめたものです。


ブラックな職場とはどんな職場なのか、自分にとっての転職軸の決め方、そして「ひとつの法人の実例」として、岡山で特養等を運営する社会福祉法人藤花会の実態(数字・実話)を紹介します。


この実例では、「良いことだけ」ではなく「失敗事例」も書きました。課題も正直に伝えることで、採用担当者としてミスマッチを防ぎたいと考えています。


30代・40代の介護経験者が転職を考える理由

経験があるからこそ、慎重になる

介護の仕事を何年も続けてきた方なら、施設ごとの文化差があることはわかっているはずです。同じ特養でも、施設によって働き方がまったく違う。入居者様への接し方、記録の書き方、申し送りの丁寧さ、チームの雰囲気——すべてが異なります。


それがわかっているからこそ、30代・40代の介護職は転職に慎重にならざるを得ない。「次の特養が今より良いとは限らない」「むしろ悪化するかもしれない」——そんな不安が頭をよぎります。特に、家族がいる方や住宅ローンがある方にとって、転職は人生を左右する大きな決断です。


「次も失敗したら、もう介護を続けられないかもしれない」というプレッシャーは、想像以上に重いものです。


転職への迷いと不安

30代・40代の介護経験者が転職を考えるとき、このような不安を抱えているのではないでしょうか。

  1. 「次の職場も残業ばかりじゃないか?」
    どこも人手不足で、どこも残業ばかり。結局、今の職場と変わらないのではないか。面接で「残業は?」と尋ねても、正直に答えてくれるとは限らない。
  2. 「経験者だから即戦力扱いされるのでは」
    介護経験者として採用されると、研修もなくいきなり現場に入れられ、「経験者だから分かるでしょ」と言われるのではないか。実際、転職後に研修がなかった経験を持つ方もいます。
  3. 「体力や夜勤を当てにされるのでは」
    男性の介護職は少ないため、体力仕事や夜勤を集中的に任されることがあります。「男性だから」という理由で、負担が偏るのではないかという不安は現実的なものです。


介護業界に多い「ブラック」な構造とは

そもそも「ブラックな職場」って?

「ブラック企業」という言葉はよく聞きますが、実は法的な定義がありません。このため、感覚や価値観という個人差により、「ブラック」と言いながらも濃淡が発生します。

ここでは法律をベースにブラックの定義づけをするならば、次のような職場がこれに該当します。

  1. 長時間労働(月45時間以上の残業など)
  2. ハラスメントの横行(パワハラ、セクハラ、カスハラなど)
  3. 最低賃金以下での労働
  4. 違法なサービス残業の常態化

特養は職員配置基準で守られているため、一般企業のようなブラックさとは異なるでしょう。しかし、「法律違反ではないけれど、これ以上続けられない」と判断せざるをえないような構造上の問題が存在しているのは事実です。


介護施設で言われている「ブラック」とは

健康な職場とブラックな職場の対比図。

注意:介護現場で「ブラック」と呼ばれる職場は、法律違反よりも“続けられない構造”が積み重なっているケースが多いです。
次のような環境に心当たりがあるなら、転職前に「何を確認するか」を整理しておくことが大切です。
  1. 早出から遅出まで一人で回す
    人手不足が前提になっており、早出(7:00〜16:00)から遅出(11:00〜20:00)まで、一人で13時間勤務することがある。体力的にも精神的にも限界です。
  2. 夜勤明けに休みが取れない
    夜勤明けの翌日は本来休みのはずが、人手不足で「明け→出勤」になることが常態化している。疲労が蓄積し、体調を崩しやすくなります。
  3. ハラスメントに毅然と対応してくれない
    パワハラやセクハラがあっても、管理職が「我慢して」「気の持ちよう」と言って対応しない。それどころか「あなた」の対応に原因があるとされ、被害者が辞めていく構造になっています。
  4. 経験者に研修がない
    「経験者だから即戦力」として扱われ、2日目からイチの勤務を任される。やり方が前の職場と違うのに研修期間がなく、質問しづらい雰囲気がある。
  5. 「やりがい」「責任感」搾取
    「入居者様のため」「チームのため」という言葉で、無理な働き方を正当化する。やりがいはあるけれど、体がもたない——そんな状況に追い込まれます。


失敗しない転職のための5つの「転職軸」

転職軸の図。年収か生活か、残業時間は何時間まで許容か、夜勤回数は何回までできるか、夜勤明けの休みは必須条件か、指導体制は?
介護職の転職を成功させるためには、
「自分にとって何が大事か」
を明確にすることが重要です。雰囲気や人間関係だけで選ぶと、後で「こんなはずじゃなかった」となりがちです。

  1. ① 優先順位を決める(年収優先?ワークライフバランス優先?)
    まず、あなたが何を優先したいのかを考えましょう。

    1. 年収を優先するなら
      残業や夜勤が多くなることを受け入れる必要があります。また、出世の打診をされたときに、リーダーや主任としての責任を引き受ける覚悟も必要です。
    2. ワークライフバランスを優先するなら
      夜勤や残業を減らす代わりに、年収は抑えめになることを理解しておく必要があります。
    両立は難しいのが現実です。だからこそ、自分の優先順位を決めることが大切です。
  2. ② 自分にとっての「ブラックの基準」を決める
    次に、自分にとっての「これだけは譲れない」ラインを決めましょう。

    1. 残業:月何時間までなら許容できるか
      月5時間までなら良いのか、20時間は耐えられるのか。自分の基準を決めておくことで、面接でも質問しやすくなります。
    2. 夜勤:月何回までなら体力的に大丈夫か
      月4回までなら大丈夫なのか、5回以上は厳しいのか。30代・40代になると、年齢とともに夜勤の負担は大きくなります。
    3. 夜勤明けの扱い:明け→休みは譲れない条件か
      「夜勤→明け→休み」が基本の職場と、「夜勤→明け→出勤」が頻繁に起こる職場では、体への負担がまったく違います。これが譲れない条件なら、面接で必ず確認しましょう。
  3. ③ 譲れる通勤距離を決める
    「家から近いところ、30分圏内」という条件にこだわりすぎると、選択肢が狭まります。本当に30分以内でないとダメなのか、考え直してみましょう。

    「自分の思い」がのせられる職場なら、1時間超えても大丈夫という方もいます。介護職は早朝や夜間の通勤が多いため、渋滞を避けられることも大きなメリットです。

    通勤時間を「職場環境」とトレードオフできるか、考えてみてください。

  4. ④ 受け入れ体制(指導体制)への希望を言語化する
    介護経験者だからこそ、指導体制への期待値は人によって異なります。

    1. 付ききりで教えてほしいのか、大切なポイントを聞ければそれでいいのか
      自分にとって必要な教え方のスタイルを整理しておきましょう。
    2. 早く夜勤に入りたいのか、じっくり慣れてから夜勤に入りたいのか
      夜勤入りのタイミングは負担や不安に直結します。
    3. 相談できる人は何人必要か
      特定の一人だけでは、その人が休みの日に困るため、複数相談先があるかが大切です。
    自分の希望を言語化しておくことで、面接でも具体的に質問できるようになります。
  5. ⑤ 引き止められたときの「覚悟」を決めておく
    今の職場に退職を伝えた時、「あなたの不満を最大限改善します」と引き止められたときどうしますか。なじみの入居者様やともに汗を流した仲間の顔が思い浮かぶでしょう。 それを振り切っても退職するのか、それとも改善に期待して残留するのか。覚悟を決めておく必要があります。


藤花会の場合|数字と実態を正直に伝えます

ここからは、社会福祉法人藤花会が運営する「特別養護老人ホームせとうち」と「特別養護老人ホームせとうちの郷」の実態を正直にお伝えします。良いことだけでなく、課題も含めて書きます。


残業のリアル

藤花会の残業時間は月1.5時間。全国平均は10時間であり、藤花会が圧倒的に少ないことが示される。
法人全体の残業時間は、月平均1.5時間(令和6年度実績)でした。ただし、これは介護職員正社員だけの数字ではなく、他職種やパートタイムを含めた全職員の平均であり、職種差や個人差はあります。とはいえ「ほぼ定時で退勤できる職場」というのが、私の印象です。


これは、先日、職場見学に来られた方(転職希望者)が目にした光景です。私たちは16時頃、見学のためフロアを回っていました。


早出職員は16:00退勤予定ですが、入居者様への「また明日!」の声かけをしているうちに16:08になっていました。隣のフロアでは早出職員と遅出職員とで注入の準備をしていました。「切りのいいところまでやってから帰る」と判断した早出職員は、16:13にフロアを離れました。「あとはお願いします!」と元気よく遅出職員に声をかけて退勤する姿を見て、見学者の方はこう話してくれました。


「本当に定時で帰っているんですね。今の施設では、数時間ひとりで残るのが当たり前なんです。朝7時から遅出が終わる20時まで働くことも当たり前で。それはもう嫌なんです。ここの職員の方が笑顔で手伝っていて…。10分程度ですよね。こういう協力や気づかいは必要だと思います」


無制限な残業ではなく、協力と線引きが共存している——それが藤花会の特養の実態です。


ただし、施設長としては。「もっと定時退勤を徹底したい」と考えています。「また明日!」の挨拶はもちろん大切だし、そういう介護職員は大歓迎だけど、それも含めて業務時間内に。協力の気持ちも理解できるし、いい関係性の職場なのだろうと思えるけれど、それでも5分以内にはフロアを離れてほしい。そう職員に伝えています。


完璧な運用ができているわけではありません。でも、「残業ゼロ」を目指して改善を続けています。


夜勤・休みのリアル

藤花会の場合、夜勤明けの翌日は休みである。その状況が崩れると、ヘルプ体制や異動で対応している。一方、ブラックな職場だと、夜勤明けの翌日も出勤とうシフトが当然になってしまう。それが改善される仕組みがない。
藤花会の特養では、15時間夜勤対象フロアでは基本的に「夜勤→夜勤明け→休み」というシフトを組んでいます。ただし、職員の補充が間に合わない、急な人員減、感染対応等の状況によって、これが崩れてしまうこともあります。その場合は、ヘルプ体制を組んだり、夜勤可能な職員を異動したりするなどで調整するようにしています。


また、夜勤者を加配しており、夜勤中もフロアを離れて休憩がとれる体制を整えています。この加配は職員の声がきっかけで実現しました。いわゆるボトムアップです。「フロアを離れて休憩をとりたい」という現場の声を受け止め、働き方の改善が実現しました。


無理が起きたときに「戻す仕組み」「整える仕組み」があるかどうか——これが、安心して長く働ける職場かどうかの分かれ目ではないでしょうか。


介護経験者受け入れのリアル

介護経験者にも研修があることを示すイラスト。
私たちも、「経験者=即戦力」という考えで失敗した経験があります。付き添い指導の体制が確立しておらず、「経験者なんだからできるでしょう」という空気があり、結果はご想像のとおりです。


その反省から、現在は指導期間を標準化しています。具体的には、先輩職員が一定期間マンツーマンでつき、利用者様の情報や施設のやり方を伝えながら、現場で一緒に動く体制です。ただし、転職者の性格によって「安心できる期間」が違ったり、「できた」のハードルも人によって違ったりするので、この課題は継続中です。完璧な仕組みではありませんが、正直に向き合っています。


ここで、実際に転職してきてくれた職員のエピソードを紹介します。


「新卒で入った前職では、転職者に付いて教えてくれる人がいませんでした。『経験者って、こんな扱いなんだろう』と思っていたので、ここに転職してきて先輩が付いて教えてくれることに驚きました。入居者様10人分の情報を覚えようと、メモを取り、自宅で何度も見返しました。本音を言えば『さすがだね』と言われたくて、ちょっと頑張ったりもしていました(笑)。リーダーが同年代で話しやすく、他の職員さんも気軽に声をかけてくれたので、助かりました」


介護経験者でも「慣れる時間」は必要です。付き添い指導の有無が、定着を左右します。


まずは「見学」という選択肢

安心材料:勢いで決めなくていい
転職は人生を左右する大きな決断です。だからこそ、勢いで決めてほしくありません。藤花会では、まず「職場見学」に来ていただくことをお勧めしています。加えて、希望される方は「タイミー」から職場体験も受け付けています。実際に現場を見て、雰囲気を感じて、構造を確認してから判断してもらいたいと考えています。
「ここなら働けそう」と思えたら、そのときはぜひご応募ください。


■ アクセス
社会福祉法人藤花会は、岡山市東区西大寺・瀬戸内市邑久町で、特別養護老人ホーム・小規模多機能ホーム等を運営しています。

【施設所在地】
●特別養護老人ホームせとうちの郷
岡山市東区西大寺北966番地
JR西大寺駅から徒歩10分

●特別養護老人ホームせとうち
岡山県瀬戸内市邑久町福中1180番地

【通勤の利便性】
国道2号線・岡山ブルーライン沿いで車通勤の利便性が高く、渋滞の少ないエリアで通勤ストレスが抑えられます。

■ 中途採用情報

■ 社会福祉法人藤花会について
社会福祉法人藤花会は、「地域の中で共に生きる」を基本理念として、岡山市東区西大寺・瀬戸内市邑久町の2拠点で特別養護老人ホーム等を運営しています。
現在は、特別養護老人ホームせとうち・小規模多機能ホームせとうち・福祉移送サービスせとうち・居宅介護支援事業所せとうち・特別養護老人ホームせとうちの郷・小規模多機能ホームせとうちの郷を運営し、地域に根ざした福祉サービスを展開しています。

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