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2026年02月06日

採用情報

40代で病院から特養へ|仕事内容と向いている人【特別養護老人ホームせとうちの事例】

「40代からのキャリアシフト」 サブテキスト「病院から特養へ。「生活」を支える看護という選択」

「40代で特養に転職して、本当にやっていけるの?」

病棟での働き方に限界を感じ、特養(特別養護老人ホーム)への転職を考えているけれど、具体的な業務内容が見えない。医療行為はどこまで行うのか。病棟で培った経験は本当に活きるのか。判断責任は重すぎないか。


40代で転職して、体力的についていけるのか。人間関係は大丈夫なのか。


こうした疑問を抱えたまま、一歩を踏み出せずにいませんか。


この記事でわかること


この記事では、岡山県瀬戸内市で介護サービスを提供する社会福祉法人藤花会「特別養護老人ホームせとうち」での看護師の1日を、時系列でご紹介しています。

経管栄養、褥瘡処置、受診判断など、実際の医療行為の範囲と病棟経験の活かし方を具体的にお伝えしながら、40代で転職した看護師の声も交えて、特養看護師に向いている人・向いていない人を正直にお話しします

 

特養看護師の1日の流れ【特別養護老人ホームせとうちの事例】

「40代からのキャリアシフト」 サブテキスト「病院から特養へ。「生活」を支える看護という選択」

結論:医療と生活が複雑に絡み合う1日

特養看護師の1日は、情報収集、経管栄養、バイタルチェック、創傷処置、受診判断、申し送りと、医療行為と生活支援が複雑に絡み合っています

■朝の情報収集と経管栄養(7:30〜9:00)

午前7時30分。施設に到着した看護師が最初に行うのは、膨大な記録の山から「異変の芽」を摘み取ることです。


特別養護老人ホームせとうちは、入居80床・ショートステイ20床の施設です。入居者のうち約40%(一般的な特養の2倍程度)が経管栄養を必要としており、2025年10月に注入者を新館に移動していただくことにしました。


現在、毎日4名から5名の看護師体制で施設全体の医療体制をカバーしています。出勤後、まずは夜間中の記録を確認し、気になる入居者の状態を手持ちのメモに記入します。


「ここの特記事項で、気になる人がおったら前日の記録の中から拾って、夜勤者に尋ねて」


夜勤帯の介護職員との会話から、「昨夜は眠れていたか」「反応はどうか」といった記録に現れないニュアンスを汲み取ります。


医師が常駐していない特養では、看護師によるこの「情報の拾い出し」が、入居者の命を守る最初の砦となります。

■高血糖への対応判断

例えば、ある入居者は、夕方の血糖値が206mg/dLと高血糖でした。


「夜は中止してるから、朝はゆっくり落としています。それで様子見です」


記録から、前日からの高血糖により夜の注入を中止していたことを把握し、朝は注入をゆっくり行うことを決定。受診が必要かどうか様子を見る――病院のように即座に医師が確認できないため、看護師の判断が入居者の健康に直結します。

■経管栄養(注入)の実施

情報収集が一段落すると、午前中の中心的な業務である経管栄養(注入)に取りかかります。


介護職員も資格取得により一部の医療的ケア(栄養注入・喀痰吸引)が可能になっていますが、特別養護老人ホームせとうちではレビンの方の注入は看護師が行っています


「(注入前の)空気の音を聞いてるんです。見た目じゃわからないので、1回ずつ確認をしてから注入開始するっていうのなら、実務的には看護師がやった方が効率的」


聴診器で胃の音を確認する一瞬の沈黙。チューブが正しく留置されているかを、空気音で確認してから注入を開始します。

■インスリン注射

朝食前には、血糖測定とインスリン注射が必要な入居者を回ります。血糖値を測定し、医師の指示に基づいてインスリンを注射します。

■薬剤準備と口腔ケア(9:00〜11:00)

午前9時を過ぎると、翌々日分の薬剤準備に取りかかります。前々日に準備された薬をチェックし、翌日の配薬に備えます。入居者の名前と薬、日付を慎重に確認する作業――病院勤務で培われた「絶対にミスを許さない」習慣が、ここでも生きています。


経管栄養の後は口腔ケアです。1日3回の口腔ケアを介護職員だけで行うには負担が大きいため、注入食を利用している方への口腔ケアは、誤嚥性肺炎のリスク管理の観点からも、1日1回は看護師が担当します。口腔ケアが終われば、そのままPEGの確認をします。


「〇〇さん、口の中がすっきりしますね」
「ちょっとお腹みせてね。ごめんね、私、手が冷たくって」


入居者の居室に飾られた写真を見て、「この写真はお孫さんたちでしょう?」と問いかけ、たとえ認知症で会話が噛み合わなくても、その方の人生の断片を共に慈しみます。お洒落な服がハンガーにかかっている入居者には「このブラウスいいね」と声をかける――それは単なる「処置」ではなく「交流」の時間です。

■バイタルチェックと状態観察(11:00〜12:00)

午前中から午後にかけて、入居者一人ひとりの顔色や呼吸状態を確認します。


血圧、体温、脈拍、SpO2(酸素飽和度)を測定し、普段と違う様子がないかを観察します。ここで重要なのは、数値だけでなく「いつもと違う」を感じ取る力です。


昼食前にも、再び血糖測定とインスリン注射が必要な入居者を回ります。

■創傷処置と皮膚管理(13:00〜15:00)

午後は、表皮剥離、水疱、糖尿病による傷口などの処置を行います。


皮膚の弱い高齢者は、少しの摩擦で表皮剥離や水疱が生じます。フロアを訪れると介護職員がかけより、見つけた剥離を報告します。


「見つけたくなかった(新しい傷を)」


介護職員の本音をそのまま受け止め、処置の準備に入ります。


「(剥がれた)皮を伸ばしてみるね。伸びたらその方が綺麗に早く治るから」


軟膏を塗り、ガーゼを当て、包帯を巻く。その丁寧な手仕事が、入居者の痛みを和らげ、回復へと導いていきます。


また、糖尿病で足の指を切断した方の傷口の消毒や、巻き爪の処置なども行います。

■受診判断と外部医療機関との連携(15:00〜16:00)

特養看護師の重要な役割のひとつが、「この状態は受診が必要か」という判断です。


例えば、頻尿を訴える入居者がいた場合、「尿の濁りはないか」「環境の変化によるものか」「膀胱炎の可能性はないか」を観察し、必要であれば自らトイレ誘導をしたり、導尿(カテーテルによる採尿)を行って検査の準備を整えます。


血液検査の結果が出た場合、嘱託医への報告も具体的に行います。


「CRPが9.5、ナトリウムが154、A1cは8.6。どうしましょう」


数値を提示し、受診の必要性を提案します。病院と違い自分の判断が入居者の健康に直結する緊張感と手応えがここにはあります。


詳細な検査が必要なら、協力医療機関(藤田病院)への受診セットを準備し、施設ケアマネへ連絡し、配車やドライバーへの協力を要請します。


藤田病院は胃瘻造設手術を行う病院であるため、系列の特養として注入者の受け入れを積極的に行ってきました。しかし、入居者の40%が注入者という状況(2026年1月現在)は、介護職員の負担も大きく、看護職員との密接な連携が不可欠です。そのため、注入者を同じフロアにまとめることで、ケアの質の担保を図っています。

■記録と申し送り(16:00〜16:30)

午後4時。全看護師と介護課長、施設ケアマネジャーが集まり、申し送りが行われます。


「〇〇さん、おしっこは綺麗に見えたけど、環境の変化による頻尿の可能性がある」

「〇〇さんの水疱はまだ潰れていません。新しいガーゼの提案をしてOKいただけています」


こうした詳細な報告が、オンコール看護師や夜勤の介護職員のみならず、施設全体へバトンとして渡されます

■夜間のオンコール体制

特養看護師に夜勤はありませんが、オンコール体制があります。夜間に入居者の体調が急変した場合、介護職員から看護師へ電話で状況を報告し、指示を仰ぐ仕組みです。介護職員にとっては、「何かあれば看護師に相談できる」という安心感があり、入居者の安全を守る重要な体制となっています。

 

特養看護師の医療行為の範囲

「40代からのキャリアシフト」 サブテキスト「病院から特養へ。「生活」を支える看護という選択」

結論:病棟経験で培ったスキルは十分に活かせる

特養では急性期のような高度医療は行いませんが、経管栄養、褥瘡処置、導尿、インスリン注射など、病棟経験で培ったスキルが十分に活かせます

■日常的に行う医療行為

  1. 経管栄養: 注入前のチューブ留置確認、注入の実施と速度調整、注入後の観察
  2. 服薬管理: 配薬の準備とダブルチェック、薬の効果と副作用の観察
  3. バイタルチェック: 血圧、体温、脈拍、SpO2の測定、数値の記録と異常の早期発見
  4. 創傷処置: 表皮剥離、水疱の管理、糖尿病による傷口の消毒、巻き爪の処置、清潔保持と感染予防
  5. 導尿: カテーテルによる採尿、膀胱留置カテーテルの管理
  6. 摘便: 便秘時の排便援助
  7. インスリン注射: 血糖測定とインスリン注射、血糖コントロールの観察
  8. 採血: 健康管理のための定期的な採血

■介護職員との役割分担と施設方針

結論:施設によって看護師の業務範囲は異なる

介護職員も資格取得により、経管栄養の一部が可能になっていますが、特別養護老人ホームせとうちではレビンの方のチューブ留置確認(空気音の聴診)と注入開始は看護師が担当しています。


特養看護師の業務範囲は、施設の方針によって大きく異なります。

  1. 医療行為のみに専念する施設: 処置や記録などの医療的ケアに集中
  2. 生活のリズムの中で介助も担う施設: 看護師もトイレ誘導や口腔ケアに入り、医療と生活の両面から支える


特別養護老人ホームせとうちは後者のタイプです。看護師も処置や記録の合間にトイレ誘導にも入りますが、それは皮膚の状態や入居者の活気を知るための、看護師としての重要な情報収集の機会です。


医療行為が必要な入居者が多い(入居者の40%が注入者)ため、介護職員の負担軽減のためにも、看護職員との連携が必須となっています。

■医師不在での判断責任

結論:看護師の観察とアセスメントが受診の可否を左右する

特養には常駐する医師はいません。そのため、「この状態は受診が必要か」という判断を、看護師の観察とアセスメントに基づいて行う必要があります。


これを「責任が重い」と感じるか、「自分の専門性を発揮できる」と感じるかは、人によります

■病院経験がどう活きるか

結論:臨床経験が一通りある人が頼られる

「臨床経験が一通り(採血、点滴、注入、創傷処置など)あることが、ここでは必要になります。でも、一番大事なのは、この世界をそのまま受け入れて馴染めるかどうか


内科・外科問わず、一通りの臨床経験がある人ほど、現場で頼られます。しかし、スキル以上に大切なのは、「生活の場」としての特養を理解し、その世界に馴染めるかどうかです。清潔・不潔の判断も、特養に合わせることになります。

■特養で新たに求められるスキル

  1. 生活全体を見る視点: 医療だけでなく、入居者の生活の質(QOL)を考える視点
  2. 介護職員との協働コミュニケーション: 介護職員と対等に協力し、互いの専門性を尊重する姿勢
  3. 長期的な変化の観察: 数ヶ月、数年単位での変化を見守る視点

 

特養看護師に向いている人・向いていない人

結論:向き不向きを正直にお伝えした上で、納得して選んでほしい

■向いている人

  1. 40代以降で、夜勤から離れたいが看護師キャリアは継続したい人
    夜勤に体力的な限界を感じているが、看護師としての専門性は活かしたい――そんな40代・50代の方に特養は適しています。実際、特別養護老人ホームせとうちで働く看護師の多くも、40代・50代で病院から転職してきた方々です。特養には、規則正しい生活リズムの中で、長く働き続けられる環境があります。
  2. 入居者一人ひとりと長く関わりたい人
    病院のように短期間で患者が入れ替わるのではなく、数ヶ月、数年単位で同じ入居者と関わります。
  3. 生活全体を支える看護に意義を感じる人
    医療が主役ではなく、あくまで「生活」を支える脇役です。治療ではなく、生活の中での健康管理に意義を感じる人に向いています。
  4. 自己判断とアセスメントにチャレンジしたい人
    医師が常駐していないため、自分の観察と判断が重要です。
  5. 介護職員と協働することに抵抗がない人
    トイレ誘導や口腔ケアにも入ります。「看護師は医療行為だけ」という考え方の人には向いていません。

■向いていない人

  1. 高度医療・急性期の最前線に立ち続けたい人
    特養では、急性期のような高度医療は行いません。
  2. 医師の指示のもとで働きたい人
    医師が常駐していないため、自分で判断する場面が多くあります。
  3. 年収を最優先したい人
    年収は病院より100〜150万円下がります。
  4. 「福祉=楽」と思っている人
    特養は「楽な職場」ではありません。判断の重さ、介護職員との協働、長時間の立ち仕事――病院とは違う大変さがあります。

現場の声:40代・50代で転職した看護師たち

「長年勤めた病院だけど、いつまで夜勤を続けるのかと考えるようになったの。ちょっと、生活をゆっくりしたいなって思うようになって。距離的にも通いやすいここに転職することにしたの。それが50歳の時。
月10万以上は(給与が)落ちたよ。稼ぎたいなら絶対病院。でも、私はもう戻りたくないわ


「病院は忙しすぎた。私には、人と人との関わりが見える施設の方が向いていたんだ。でも、専門職として医療行為だけしたい、って人には、ここは向かないかもしれないね」


「特養は生活の場だから。介護職員さんを差し置いて私たちが前に出るのは違う。でも専門性として言わなきゃいけない場面がある。その折り合いには慣れがいるね


給料は下がるけれど、夜勤のない生活と人間同士の関係性を手に入れた。医療が主役ではないけれど、専門性は発揮できる――そんな微妙なバランスの中で、自分なりのやりがいを見つけている姿があります。

 

特別養護老人ホームせとうち(岡山・瀬戸内エリア)での働き方

■施設の体制と職場の雰囲気

社会福祉法人藤花会が運営する特別養護老人ホームせとうちは、入居80床・ショートステイ20床の施設です。


毎日4名から5名の看護師体制で施設全体の医療体制をカバーしています。


嘱託医との連携体制があり、必要に応じて報告・相談ができます。急変時や詳細な検査が必要な場合は、協力医療機関(藤田病院)との連携も整っています。

■職場の雰囲気

  1. 看護師の年齢層: 40代・50代が中心(他の年代の方もいます)
  2. 介護職員との関係: フラットな協働関係。「看護師が偉い」という縦社会ではありません
  3. コミュニケーション: 毎日の申し送りで情報共有、困ったことは相談しやすい雰囲気


実際に転職してきた看護師の声:
「病院のようなピリピリした雰囲気がなく、落ち着いて働けています。介護職員の方とも対等に話せる関係性が心地良いです」

■地域での位置づけ

社会福祉法人藤花会は、岡山市東区西大寺・瀬戸内市邑久町の2拠点で特別養護老人ホーム等を運営しています。


施設所在地

・特別養護老人ホームせとうちの郷
 岡山市東区西大寺北966番地
 JR西大寺駅から徒歩10分

・特別養護老人ホームせとうち
 岡山県瀬戸内市邑久町福中1180番地


通勤の利便性

国道2号線・岡山ブルーライン沿いで車通勤の利便性が高く、渋滞の少ないエリアで通勤ストレスが抑えられます。


地域に根ざした福祉サービスを展開し、「地域の中で共に生きる」を基本理念としています。

 

まとめ

■特養看護師の1日は、医療と生活の両方を支える仕事

特養看護師の1日は、経管栄養、創傷処置、バイタルチェック、受診判断、記録と申し送り――医療行為と生活支援が複雑に絡み合った仕事です。


病院のような「治療の場」ではなく、「生活の場」で看護を行うため、入居者との関わり方も、判断の重さも、病院とは違います。

■病棟経験は活きるが、新たに求められるスキルもある

採血、バイタルサインの読み取り、急変時の初期対応――病院で培ったスキルは、特養でも十分に活かせます。一方で、生活全体を見る視点、介護職員との協働、長期的な変化の観察――特養ならではのスキルも求められます。

■40代での転職でも遅くはない

40代で病院から特養へ転職することに、不安を感じる方も多いでしょう。しかし、特別養護老人ホームせとうちで働く看護師の多くも、40代・50代で転職してきた方々です。病棟経験は十分に活きますし、むしろ内科・外科問わず幅広い経験がある人ほど頼られます。

■興味があれば、まずは見学や面談から

施設見学や面談を受け付けています。実際の雰囲気を見て、看護師と話をして、「ここなら働けそう」と思えたら、ぜひご応募ください。


夕方、業務を終えて施設を去る看護師の背中には、病院のような慌ただしさとは違う、落ち着いた静けさがあります。「この写真、お孫さん?」と声をかけた入居者の笑顔を思い出しながら、また明日、同じ人たちに会える――そんな日常が、ここにはあります。

「40代からのキャリアシフト」 サブテキスト「病院から特養へ。「生活」を支える看護という選択」
 


 

アクセス・中途採用情報

■ アクセス
社会福祉法人藤花会は、岡山市東区西大寺・瀬戸内市邑久町で、特別養護老人ホーム・小規模多機能ホーム等を運営しています。

【施設所在地】
●特別養護老人ホームせとうちの郷
岡山市東区西大寺北966番地
JR西大寺駅から徒歩10分

●特別養護老人ホームせとうち
岡山県瀬戸内市邑久町福中1180番地

【通勤の利便性】
国道2号線・岡山ブルーライン沿いで車通勤の利便性が高く、渋滞の少ないエリアで通勤ストレスが抑えられます。

■ 中途採用情報

■ 社会福祉法人藤花会について
社会福祉法人藤花会は、「地域の中で共に生きる」を基本理念として、岡山市東区西大寺・瀬戸内市邑久町の2拠点で特別養護老人ホーム等を運営しています。
現在は、特別養護老人ホームせとうち・小規模多機能ホームせとうち・福祉移送サービスせとうち・居宅介護支援事業所せとうち・特別養護老人ホームせとうちの郷・小規模多機能ホームせとうちの郷を運営し、地域に根ざした福祉サービスを展開しています。

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