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2025年12月19日

採用情報

「病院以外に進んでもいいのかな?」と迷うPT・OTへ。特養リハビリへの転職でキャリアの地図を広げる

キャリアマップ。特養リハビリで病院リハビリのスキルが生かせるのか悩む40代男性の図。


病院しか知らないと、他の選択肢が「全部怖く」見える。

病院の外に視線を向けようとした瞬間、視界が広がるどころか、真っ白になる——
そんな感覚を抱いたことはありませんか?
  • 病院以外の働き方が想像できない
  • ● 自分のスキルが福祉領域で活かせるのか?
  • 新しい環境でうまくやれるのか?
  • 退職してまでチャレンジすることか?
  • ● もう40代/50代、失敗はできない

この「不安」は、キャリアチェンジを考え始めた病院のPT・OT(理学療法士・作業療法士)がほぼ通る地点です。

そしてこれは、「臨床の先」を見始めた人が立ち寄る場所であり、言い換えれば、次のステージに進む準備が整った合図でもあります。
この記事では、病院リハビリの経験がどのように特養で活かされるのか、特養であらたに得られるスキル、1日のスケジュールをまとめました。福祉業界の採用担当の立場から、病院だけではないキャリアの地図をそっと広げます。


病院リハビリには強みがある。けれど「それだけ」がキャリアではない

まず前提として、病院リハビリはとても価値のある場です。

病院リハビリの強み

  • 他職種が多く、学びが豊富
  • 急性期・回復期で幅広い症例に関われる
  • 技術の向上スピードが速い
  • 研修・学会・研究の機会が豊富

しかしキャリアが進むにつれて、こんな思いが出てくるようになります。

病院リハビリで感じやすい迷い

  • 単位に追われ、心の余白がなくなる
  • 退院後の生活を見届けられない
  • ノルマが重く、業務の意味が見えにくくなる
  • ● 「もっと違う関わり方もあるのでは」と思い始める


これは誰のせいでもありません。「治す」だけでなく、生活に寄り添う視点が育ってきた証拠です。


特養リハビリの焦点は「生活」 病院とは根本的に違う景色がある

病院リハビリと特養リハビリの仕事の違いを説明する図


特養には、劇的な回復も、退院というゴールもありません。その代わりにあるのは「今日の暮らしを整えるリハビリ」、いわゆる「生活期リハビリ」です。

  • ・入浴
  • ・食事姿勢
  • ・トイレ動作
  • ・床上での過ごし方
  • ・車椅子での生活
  • ・夜間の安楽
  • ・レクリエーション参加
  • ・介護負担の軽減
  • 病院リハビリ:機能を伸ばす(治療軸)
  • 特養リハビリ:暮らしを整える(生活軸)

どちらが優れているという話ではなく、価値の軸がまったく違います。


なぜ、特養で「病院経験のあるPT・OT」を歓迎するのか?

特別養護老人ホームの職員が、病院で臨床経験のあるPT・OTを歓迎しているイラスト。

生活を支える特養リハビリにおいても、病院での臨床経験は確かな強みになります。

① 身体の「微細な変化」を見抜く力がある
「今日、座位が少し不安定」「呼吸が浅い気がする」——
こうした小さな変化に気づけるのは、臨床経験の積み重ねがある人だからこそ。特養ではこの気づきが、生活の質と安全に直結します。


② 判断が速い(しかも根拠がある)
医師が常駐しない特養では、看護師とともに、機能訓練指導員の判断が要になる場面が多くあります。病院経験は、その判断の「根拠」を支えてくれます。


③ 他職種へ「伝える力」がすでに育っている
40代、50代でじゅうぶんな社会経験があり、介護職・家族・看護師へ、専門知識を「現場語」に翻訳できる力。これは現場でとても重宝されます。


④ 終末期支援に迷いが少ない
最期の場面に向き合うとき、病院経験者は落ち着いた視点を持ちやすいため、ご家族への説明にも安心感が生まれます。

病院経験は、生活期リハビリを深くするための「下地」です。治療軸から生活軸へキャリアを広げるとき、確かな武器になります。


「転職でスキルが落ちるのでは?」という不安は正常。むしろ健全

転職を検討するPT・OTがほぼ例外なく抱く不安です。

ですが、実際はこうです。

病院から特養への転職では、落ちるスキルもある一方、特養で初めて伸びるスキルもあります。
【病院でのびるスキル】

  • ● 評価・検査
  • ● 急性期対応
  • ● 診断名別アプローチ
  • ● 医療管理
  • ● 研究・発表
【特養でのびるスキル】

  • ● 生活動作の観察力
  • ● 姿勢管理(シーティング)
  • ● 介護負担軽減の視点
  • ● 多職種への伝達力
  • ● 長期経過を追う力
  • ● 終末期の判断
  • ● 「その人らしさ」の理解

方向性が変わるだけで、キャリアは決して止まりません。


特養リハビリとは? リアルな1日の流れ(※実例そのまま)



特養リハビリとは、医療の延長ではなく「生活を整えること」を目的にしたリハビリです。これは、実際に特別養護老人ホームで動いている機能訓練指導員のスケジュール例です。

  • ● 8:30 事務所での朝礼
  • ● 9:00 フロアでの申し送り+夜間状態の確認
  • ● 10:00 ご家族様を交えてのケアカンファレンス(30分×2件)
  • ● 11:00 個別リハビリ/介護職員からの相談受付タイム
  • ● 12:00 リビングで食事姿勢のチェック
  • ● 12:30 休憩
  • ● 13:30 LIFE入力、個別期の訓練計画書作成
  • ● 14:00 集団リハビリ/介護レクリエーション補助
  • ● 16:30 ショートステイ送迎(1件)
  • ● 17:30 退勤
あなたが病院で経験した「◯分単位でぎっしり詰まった1日」ではなく、生活の流れに合わせたリズムの中で動くというのが、特養での働き方の特徴です。


特養が働きやすいと言われる理由

施設によって差はありますが、多くの特養で共通するのは以下です。

  • 生活に寄り添うため、心の摩耗が少ない
  • ● 利用者の変化を長期で追える
  • ● 業務の突発性が病院より少ない
  • ● 夜勤の負担がない
  • ● 子育て・家族との両立がしやすい
  • ● 自身の座り・立ち・歩きのバランスが自然と良い
「忙しい」か「暇」か、ではなく、忙しさの質が違うという表現が近いです。


ここまで読んで、少しでも特養リハビリが「気になる」と感じたら

退職を伴うキャリアチェンジには勇気がいります。でも、「気になる」と感じたのなら、ひとりで立ち止まらないでください。

記事のみでは、特養リハビリの役割や働き方、そのやりがいが、半分程度しか伝わりません。残りの半分は「現場の空気」でしか伝わらないと考えます。

藤花会の特別養護老人ホームには、迷ったまま来ても大丈夫な見学の仕組みがあります。(※詳細はシリーズ④でご案内します)

転職だけが正解ではない。あなたの現在地を一緒に確認しながら、無理のないキャリアの選択ができるよう寄り添います。





■ 特養リハビリのススメ連載シリーズ

・シリーズ① 【岡山市東区・瀬戸内市】『1日何単位?』のモノサシでは語れない。特養リハビリ職が見ている「生活の光」
・シリーズ② 「特養リハビリが向く人・向かない人の決定版!」病院リハビリがしんどいと感じるPT・OTへ
・シリーズ③ 「病院以外に進んでもいいのかな?」と迷うPT・OTへ。特養リハビリへの転職でキャリアの地図を広げる
・シリーズ④ 特養リハビリ職場見学のススメ。転職を迷っているPT・OTこそ「雰囲気」を体感してほしい


■ 中途採用情報 


■ 社会福祉法人藤花会について
社会福祉法人藤花会は、「地域の中で共に生きる」を基本理念として、岡山市東区西大寺・岡山県瀬戸内市邑久町の2拠点で特別養護老人ホーム等を運営しています。
現在は、特別養護老人ホームせとうち・小規模多機能ホームせとうち・福祉移送サービスせとうち・居宅介護支援事業所せとうち・特別養護老人ホームせとうちの郷・小規模多機能ホームせとうちの郷を運営し、地域に根ざした福祉サービスを展開しています。

Shere