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2025年12月19日

採用情報

「特養リハビリが向く人・向かない人の決定版!」病院リハビリがしんどいと感じるPT・OTへ 

単位や予約、時間に追われる病院の理学療法士や作業療法士の図。



病院リハビリが『好きなのに、しんどい』時がある。

「今日の単位、まだ足りない」
「午後の予約パンパン…トイレも行けない」
「話を聴いてあげたいのに、時間が押してしまう」


病院リハビリの現場にいるPT・OTさんなら、どれか一つは身に覚えがあるのではないでしょうか。


前回の記事では、特養で働く機能訓練指導員の実話を含め、病院とはまったく違うリハビリの視点を紹介しました。


この記事では、病院リハビリと特養リハビリの「違い」に焦点をあて、特養リハビリに「向く人」「向かない人」をまとめました。

これを読めば、しんどいのは怠けや甘えではなく、病院という仕組みがあなたの理想の働き方と合っていないだけ、ということがわかります。


病院リハビリが「つらくなる理由」は、ほぼ構造で説明できる

病院リハビリのしんどさは、大きく分けると以下の3つです。

① 時間と単位に追われる構造

「今日の単位はまだ足りない」という心理的プレッシャーが常につきまとう
・20分刻みのスケジュール管理
・キャンセルの穴埋め対応が必須
・生産性=単位で評価される

② チームが大きく、役割が細かい

「もっとこうしたい」と感じても自分だけで判断を下しにくい
・PT/OT/STで専門性が分業されている
・看護師・MSW・主治医の指示を軸に動く
・自分の裁量が限定される場面が多い

③ 患者様との関わりが短期になりやすい

「その人の人生に伴走する」感覚が持ちにくい
・数日~数ヶ月で担当が変更になる

・回復期から退院までがピーク期間

結論:あなたの能力とは無関係。環境・役割・制度の問題です。


特養リハビリの働き方 「生活の中の小さな変化」を扱う専門職

特養のリハビリの特徴は以下の4つです。

① ノルマとしての単位がない

・時間管理は必要だが「単位のためにリハビリをする」構造が存在しない
・心理的な負担が軽減される

② 生活場面に深く入る

・「ADL向上」という医学的目標より「暮らしの質を整える」ことに重点
・役割は、起き上がり、座位保持、食事動作、排泄、入浴、移乗などの安定性
・少しだけ「楽に」することで日々の快適さが向上し、人生の質につながる

③ ご利用者様と長く関われる

・3ヶ月や半年ではなく数年単位で関わる
終盤の人生に寄り添うことができる
その人の人生全体を理解し、支援することが可能

④ 専門職としての裁量がある

・日々の暮らしの中で見える「小さな変化」をもとに支援を組み立てられる
・介護職員と協力してケアの改善が提案できる
・ご家族に専門的な視点で説明できる
・道具や環境を整えることも専門職の判断で決められる


給与とキャリアのリアル──病院と特養、どっちが上?

給与とキャリアの現実について、よく聞かれるポイントをまとめました。

■ 給与比較(岡山県)

項目 病院(PT・OT) 特養(機能訓練指導員)
県内平均年収 PT:334万円
OT:332万円
(公的平均データなし)
求人例の年収帯(正社員) 350万円~500万円 300万円~456万円


総評:病院の方が、年収は約50万円ほど高くなる傾向があります(上限比較)。


■ データについて
調査時期:2025年11月
調査方法:複数の求人情報サイト(ハローワーク、民間求人サイト等)に掲載された岡山県内PT・OT求人を集計・分析
出典:社会福祉法人藤花会「特養リハビリが向く人・向かない人の決定版!病院リハビリがしんどいと感じるPT・OTへ」独自調査

※ 求人情報は掲載時点のものです。
※ 経験年数・資格・勤務形態により年収は大きく変動します。
※ 特養は県全体の平均年収データがないため、求人例で比較しています。

■ 出世・キャリアの違い

病院リハビリは給与や出世重視の人に向いている。特養リハビリには専門性を生活に生かしたい人が向いている。これを説明している図。

▶ 病院の場合
・規模が大きく役職ポストが多い
・主任・係長・リハ科長など階級的キャリアがある
昇進のパイが大きい

▶ 特養の場合
・チームが小さく役職ポストは限定的
・階級的キャリアのパイは小さい
横展開のキャリア(地域活動・研修講師・ケアマネ等)が豊富

向き・不向きの判断

給与・出世重視なら → 病院向き
専門性を生活に活かしたいなら → 特養向き

どちらが正解という話ではなく、キャリアの方向性の違いです。


特養リハビリの魅力 「個別リハビリで涙を流される瞬間」がある

個別リハビリで涙を流す高齢女性の図。そばで見守る機能訓練指導員。


「リハビリ大好き。楽しみな時間なの」

特養の入居者様から時折聞く言葉です。
言葉はなくても、その表情から「うれしい」が伝わることがあります。

ただ、ときどき、個別リハビリ中に入居者様が涙を流す場面も見ることがあります。


なぜか。


特養は集団生活のため、どうしても「みんなの中の私」という意識があり、遠慮が生まれやすくなります。特に「控えめであること」が美徳とされた女性には、遠慮の気持ちが強く表れる傾向があります。

でも、個別リハビリだけは違う。

「みんなの中の私」ではなく、「私だけ」を見てくれる時間。 自分のペースで動いてよい時間。
だから心がほどけます。

この涙は「悲しみ」ではなく、「安心した」「受け止めてもらえた」というサインであることが多い。
病院リハビリとはひと味違う、深い情緒のケアが特養リハビリには存在します。


ここまで読んで少しでも気になるなら──向き・不向きチェック

\10個中6つ以上あてはまったら、特養リハビリはあなたに向いています/

  • ● 単位より「人」を見たい
  • ● 長く関わって、生活ごと支えたい
  • ● カンファレンスで専門意見を言うのが嫌ではない
  • ● 介護職とのやりとりが好き
  • ● 「その人らしさ」の回復に喜びを感じる
  • ● 小さな変化に気づくのが得意
  • ● ゆっくり寄り添う方が自分らしいと思う
  • ● 物理的なリハビリより日常の工夫が好き
  • ● 地域のサロンや出張体操にも興味がある
  • ● 動ける人より「動きづらさを抱える人」を支えたい


まとめ|病院が「ダメ」なんじゃない。あなたが「変化した」だけ。

病院リハビリは間違いなく素晴らしい仕事です。
ただ同時に、「合わなくなる瞬間」が訪れる人がいるのも事実です。それは「逃げ」ではなく「成熟」です。
価値観が変わった証拠です。


PT・OT(理学療法士・作業療法士)として病院で働きながら、

  • ✔ このままでいいのかな
  • ✔ 単位を追うのがつらい
  • ✔ もっと人に寄り添いたい
  • ✔ 「生活」に深く関わりたい

そう感じているなら、
特養リハビリという選択肢は、きっとあなたの人生を変えます。





■ 特養リハビリのススメ連載シリーズ

・シリーズ① 【岡山市東区・瀬戸内市】『1日何単位?』のモノサシでは語れない。特養リハビリ職が見ている「生活の光」
・シリーズ② 「特養リハビリが向く人・向かない人の決定版!」病院リハビリがしんどいと感じるPT・OTへ
・シリーズ③ 「病院以外に進んでもいいのかな?」と迷うPT・OTへ。特養リハビリへの転職でキャリアの地図を広げる
・シリーズ④ 特養リハビリ職場見学のススメ。転職を迷っているPT・OTこそ「雰囲気」を体感してほしい


■ 中途採用情報 


■ 社会福祉法人藤花会について
社会福祉法人藤花会は、「地域の中で共に生きる」を基本理念として、岡山市東区西大寺・瀬戸内市邑久町の2拠点で特別養護老人ホーム等を運営しています。
現在は、特別養護老人ホームせとうち・小規模多機能ホームせとうち・福祉移送サービスせとうち・居宅介護支援事業所せとうち・特別養護老人ホームせとうちの郷・小規模多機能ホームせとうちの郷を運営し、地域に根ざした福祉サービスを展開しています。

Shere